☆☆☆ 超小型人工衛星用無線機 2008年 301A型 ☆☆☆  

 受信機(RXE430M-301AとRXE145M-301A)は受注生産中です。
 受信機(RXE430M-301BとRXE145M-301B)を追加しました。

送信機(TXE430MFMCW-301A)は製造終了しました、今後は302A型で承ります。

   [テストボードはここをクリック]

☆301A 型無線機の放射線 試験を2008年12月東大・中須賀研で実施された。20090110
☆無線機本体を御購入時に1ヶ月間テストボードを無料貸出し可、希望者は連絡下さい。20080822

☆301A 型無線機データシート
☆301B 型受信機データシート
御注文受付中・・・標準納期は御注文後約4ヶ月の受注生産 <
急ぎ必要な方は早めに連絡下さい>

       品 名    型 番   備 考
430MHz FMCW送信機(製 造終了)  TXE430MFMCW-301A  302A型送信機へ
430MHz FM受信機(435〜438MHz) F2D  RXE430M-301A  AFSK 受信用
430MHz FM受信機(435〜438MHz) F1D
 RXE430M-301B  直接FSK受信用
145MHz FM受信機(145〜146MHz) F2D  RXE145M-301A  AFSK受信用
145MHz FM受信機(145〜146MHz) F1D  RXE145M-301B  直接FSK受信用


   ケーブル接続の例
 

 [製品は写真と一 部異 なる場合がありま す]

外形図はここ をク リック ---> PDFファイル   WORD ファイル

・・・ 最新図面 2008年6月26日改版 (性能改良等のために予告無く変更する場合があります)・・・
430MHzFMCW送信機(TXE430MFMCW- 301A)・・・ 回路図  基 板図
430MHz FM受信機 (
RXE430M-301A)・・・・・ 回 路図  基板図
145MHz FM受信機 (RXE145M-301A)・・・・・ 回路図   基板図


 ======= 仕様・規格 =======   <2008年 6月 18日 改版 > 
    型  番    項  目    規  格   備 考 
430MHzFMCW送信機  外形、質量 88.5(100)×60×10.5mm、60g typ.  突起部を除く
TXE430MFMCW-301A  FM,CW送信周波数範囲  435〜438MHz  
 <製造終了>  FM,CW送信周波数安定度  ±2.5ppm/( -30〜+60℃ )  
   FM送信出力  800mW typ.  
   FM送信部電源電圧  5.0V DC  
   FM送信時消費電流  600mA typ. (650mA max)  
   FM送信部待機電流   20mA typ.  電源供給中消費
   FM変調周波数偏移  ±3.5kHz typ./(0.85Vp-p FMMOD)  
   FM変調周波数  0.3kHz〜3kHz (プリエンファシス)  
   CW送信出力  100mW typ.  
   CW送信部電源電圧  4.2V DC  
   CW送信時消費電流   95mA typ. (120mA max)  
   CW送信部待機電流   16mA typ.  電源供給中消費
   アンテナコネクタ  MCX (50Ω)  L型
   電源・制御コネクタ  S12B-PH-KL (PHシリーズ 日圧製)  12ピンL型
  受信用アンテナ切替ロス  0.7dB typ.  
       
430MHz FM受信機  外形、質量  60×50×10.5mm 、38g typ.  突起部を除く
RXE430M-301A  受信周波数範囲  435〜438MHz  5kHz/step
  (-301B型 は注11) 受信感度  -121dBm typ.(12dB SINAD) (Fs=1Kz、3.5Hz/dev)
   受信周波数安定度  ±2.5ppm/(-30〜+60℃ )  
  電源電圧  5.0V (4.0〜6.0V)  
   消費電流  26mA typ.  
   受信出力  0.5Vp-p/(Fs=1Kz、3.5KHz/dev)  
   アンテナコネクタ  MCX (50Ω)  L型
   電源・制御コネクタ  S8B-PH-KL (PHシリーズ 日圧製)  8ピンL型
   第1中間周波数 (IF1)  21.4MHz (PLL設定値は-21.4MHz)  
   RSSI出力電圧  約0.5〜1.8V (負荷100kΩ)  約-10〜50dBu入力
       
145MHz FM受信機  外形、質量  60×50×10.5mm 、38g typ.  突起部を除く
RXE145M-301A  受信周波数範囲  145〜146MHz  5kHz/step
  (-301B型は注11)   受信感度  -123dBm typ.(12dB SINAD) (Fs=1Kz、3.5Hz/dev)
   受信周波数安定度  ±2.5ppm/(-30〜+60℃ )  
   電源電圧  5.0V (4.0〜6.0V)  
   消費電流  25mA typ.  
   受信出力  0.5Vp-p/(Fs=1Kz、3.5KHz/dev)  
   アンテナコネクタ  MCX (50Ω)  L型
   電源・制御コネクタ  S8B-PH-KL (PHシリーズ 日圧製)  8ピンL型
   第1中間周波数 (IF1)  21.4MHz (PLL設定値は-21.4MHz)  
   RSSI出力電圧  約0.5〜1.8V (負荷100kΩ)  約-10〜50dBu入力

注1.この無線機にはマイコン制御部が有りません、PLL周波数設定するマイコンとモデム 回路を接続して下さい。
   テス ト ボードに接続すると無線機単体の基本的な機能を確認できます。(モデムは無し)
注2.電源は定電圧化した直流電圧を供給すること、リップルが混入していると送信スプリアスが増大します。
   CW送信機の電源電圧を他と同じ5Vで供給すると、送信出力約150mW、消費電流約110mAに増加します。
   CW送信機へは4.2Vを供給して下さい。
注3.標準品は送信機と受信機各1台ずつをネジ止めして一体型になります。(合計質量約98g)
注4.TXE430MFMCW-301Aは9600BPS用も製作可で、型番はTXE430MFMCW-301A-9600
注5.アップロードとダウンロードを同じ430MHzで行う組合せは、CWまたはFM送信中に受信できません。
注6.仕様は改良などのために変更する場合があります。
注7. この無線機にアンテナを接続して通信するには無線局免許が必要です。
  
無線局免許申請に関 する 情報−−−> MUSENJIKO-20080603.lzh
注8.FMCW送信機とFM受信機の全部に電源を供給してPLLデータをセットすると合計待機電流は約60mA。
   全てのPLL ICをスタンバイに設定して送信と受信動作を停止した時の消費電流は約35mA
   (PLL ICのオプションコントロールレジスタで、TXとRXを全部1に設定するとPLL動作停止する)

注9.FM送信機の送信中にCW KEYを断続すると、動作が異常になって、スプリアスが増大します。
   FMとCWは同時に送信状態にしないこと。
注10.RSSI出力電圧は負荷インピーダンスにより大きく変わります、100kΩの抵抗負荷で使用して下さい。

注11.受信機の301B型は301A型とは下記の点が異なりますが、その他は同じ仕様です。
(1)RXE430M-301AとRXE145M-301AはAFSK変調波(F2D)受信用ですが、
  RXE430M-301BとRXE145M-301Bは直接 FSK(F1D)を受信できます。
  また、従来のAFSK変調波(F2D)も受信可能です。(AFSKモデムは要ります)
(2)この301B型受信機はF1Dで4800BPS迄の通信速度に対応します。(9600BPSはエラーが多くなる)
(3)復調周波数範囲は、0Hz(直流)から約4.7kHz/-3dB。(ディエンファシス特性は有りません)
(4)受信感度は、約-12dBμV(-119dBm)/12dB SINAD (復調帯域幅が広いので見かけ上の感度は低い)
(5)復調出力は、中心電圧:約1.5V、振幅約±0.5V/FSK変調幅±4kHz受信時
(6)
301B 型受信機 復調出力波形の例 ↓
 
 
 
 <<<使用コネクタの参考情報>>> 
アンテナ接続基板実装用:MCX(L型) R113665000W (RS品番 245-5137)
アンテナ接続ケーブル用:MCX(L型) R113181000W (RS品番 245-5070)
アンテナ接続ケーブル用:MCX(直型) R113082000W (RS品番 245-5036)
ケーブルアッセンブリ :MCX(直型) V316-RB5MXX0030A20 (RS品番 326-8439)
ケーブルアッセンブリ :MCX(L型) V316-RA5MXX0030A20 (RS品番 326-8445)
 通信販売サイト
http://jp.rs-online.com/web/

同軸ケーブル(50Ω 外径約2.6mm):RG-188A/U ・・・ロス=約0.7dB/m
同軸ケーブル(50Ω 外径約1.8mm):RG-178B/U ・・・ロス=約1dB/m

http://jp.misumi-ec.com/ec/ItemDetail/10500112930.html
http://www.oyaide.com/i_home/tefloncoaxal/tefloncoaxal.htm

信号と電源の基板実装用:PHシリーズ(12ピンL型)日圧製 S12B-PH-KL
PHコネクタの情報 
http://www.jst-mfg.com/product/detail.php?series=199
推奨する信号線:テフロン銀メッキ線 SQ0.3
接続コードが100mm以下程度に短い時は電源とGND線もSQ0.3で可。
線長を100mm以上に延ばす時は、電源とGND線に太いテフロン銀メッキ線(SQ0.75)を継ぎ足す。
推奨する電線販売店:(株)小柳出電気商会 
http://www.oyaide.com/i_home/index.htm
PHシリーズコネクタピン圧着工具 ・・・・ YRM-240
御注意:標準セットには接続コードが付いていません、必要な方は西無線へ連絡を下さい。

 301A 型無線機のPLL制御方法    2008.6.21
 各 無線機にはPLL回路が有り、送信および受信周波数を外部のマイコンから制御します。
無線機内部にはマイコンを内蔵していないから、ユーザーで用意すること。
使用しているPLL ICはTB31213FNG(東芝)、データ転送手順などは下記データシートを参照。
 英文データシート
http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/en/ASSP/TB31213FNG_en_datasheet_050204.pdf

 和文データシート
http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/ASSP/TB31213FNG_ja_datasheet_030807.pdf

周波数設定の制御データは下記の各指定値で行うこと。
参 考:具体的なデータ転送のサンプルソフト(PIC16F648Aアセンブラソースリスト)参照。
PLL回路への設定データは各無線機のコネクタピンで CLK,DAT,STB に接続して転送する。
1.FM送信機(TXE430MFMCW- 301A)・・・設 定可能な周波数範囲:435〜438MHz
 リファレンスカウンタ(Nref)は、2560(=0A00H/16進数)とする。
 プログラマブルカウンタ(Nprg)は、送信周波数Ftx(MHz)を0.005(MHz)で除した数値とする。
   Nprg=Ftx(MHz)/0.005(MHz)
 例:436.500MHz送信 Nprg=87300(= 015504H) Nref=2560(=0A00H)
2.CW送信機(TXE430MFMCW- 301A)・・・設定可能な周波数範囲:435〜438MHz
 リファレンスカウンタ(Nref)とプログラマブルカウンタ(Nprg)の設定は、
   
[301ACWPLL-20080520.pdf]
 の表にある各周波数に該当する数値を使用す るこ と。
 表で、左側1番目が目標の周波数(F)、右端の2列がNprgとNref。
 設定値はEの列にある周波数誤差を生じるので、CW-TCXO TUNEボリュームで微調整する。
 例:436.750MHz Nprg=1747(= 0006D3H) Nref=160(=00A0H)
 ★この表に記載以外の設定値では、動作が異常になることがあります。
3.145MHz FM受信機(RXE145M-301A)・・・設定可能な周波数範囲:145〜146MHz
 リファレンスカウンタ(Nref)は、2560(=0A00H/16進数)とする。
 プログラマブルカウンタ(Nprg)は、
 受信周波数Frx(MHz)-21.4MHzを0.005(MHz)で除した数値とする。
   Nprg=(Frx-21.4)/0.005
 例:145.835MHz受信 Nprg=24887(= 006137H) Nref=2560(=0A00H)
4.430MHz FM受信機(RXE145M-301A)・・・設定可能な周波数範囲:435〜438MHz
 リファレンスカウンタ(Nref)は、2560(=0A00H/16進数)とする。
 プログラマブルカウンタ(Nprg)は、
 受信周波数Frx(MHz)-21.4MHzを0.005(MHz)で除した数値とする。
   Nprg=(Frx-21.4)/0.005
 例:437.555MHz受信 Nprg=83231(= 01451FH) Nref=2560(=0A00H)
5.共通のPLL IC設定・・・オプションレジスタ
 T1=0,T2=0,T3=0,CpT1=1,CpT2=1,Cpr1=0,Cpr2=0,LD1=0,LD2=0,Tx=0,Rx=1
6.PLL回路の立ち上がり
 電源供給開始時に毎回必ず上記のPLL設定データを送り込むこと。
 (無線機への電源が切れると無線機に内蔵のPLL設定データは消滅します)
 電源を供給してPLLデータが設定されてから約1秒間以上経過後に送信または受信動作
 を開始すること。(すぐに送信開始すると最初は送信スプリアスが大きい)
 FM送信はFMPTT端子をオープンコレクタ等でGNDに接地すると送信状態になる。
 CW送信はCWKEY端子をオープンコレクタ等でGNDに接地すると送信状態になる。
 FM受信機は電源供給とPLL設定すると受信動作を開始する。
7.
送 信と 受信周波数が同じ場合の注意
 FMとCW送信機は電源を供給してPLLデータを設定すると、待機時においても設定周波数で弱い信号を
 発生しており、組み合わせる受信機の受信感度が著しく低下する場合があります。
 その対策としては、送信機へ電源供給直後のPLL設定データを100kHzずらして下さい。
 送信開始直前に送信周波数データをPLLへ再設定してから送信し、送信終了直後に再度100kHzずらす。
 つまり、FMおよびCW送信機へ電源供給中で送信しない間はPLL設定周波数を100kHzずらしておくこと。
 (送信周波数と受信周波数が100kHz以上離れている場合は、この対策が不要です)


===========================================
再開発の目的
 
Cube Sat XI-IVとXI-V 等で実績がある衛星搭載用の旧無線機は、2001年開発時から7年経過し、
使用部品が入手困難になってきたので、今後も製作可能な部品に設計変更。
  再開発対象機種
430MHz FMCW送信機(FM:0.8W,CW:0.1W):TXE430MFMCW-101A
145MHz FM受信機:RXE145M-101A (FM受信機は430MHz用も追加)

設計内容
 外形寸法および通信性能は旧無線機と同様とし、交換は容易に行える設計とする。
周波数安定度はTCXOにより高安定化(±2.5ppm以内)
アップロードは430MHzも対応可、アンテナ1本で送受信可能な切替え回路を送信機に追加。
コネクタ接続でノイズ対策コンデンサを内蔵、その他製作上の不都合を改良。

 主な設計変更点。
使用するトランジスタと電源IC等を変更(PLLと受信用IF ICは変更しない)。
他の機器との接続は内蔵基板にコネクタを実装。(接続コードで旧無線機とピンコンパチに可)。
送信・受信周波数を高安定化(±2.5ppm/TCXO使用)。
送信機はFMとCW基板を1枚に統合、内蔵基板固定ネジ穴を2個省略。
送信機にアンテナ切替回路を追加してFM送信・CW送信・FM受 信を 1本のアンテナに接続可。
 (従来と同じく、それぞれにアンテナ接続も可)
430MHz AFSK用のFM受信機を新たに追加。(145MHz FM受信機と同じ形状)
FM送信とCW送信回路に同時に電源が入っていてもスプリアスが増えない回路を追加。
 (従来機と同様にFMとCWを同時に送信はできません)
通信周波数変更は、FM送信機とFM受信機がマイコンソフトの制 御 データだけの変更でOK。
CW送信はマイコンソフトの制御データ変更とボリューム微調整で5kHz/Stepの周波数設定可。


従来機と同様に真空中で異常をきたさない部品に限定。
電解コンデンサは使用せずセラミックコンデンサに全て置き換え。
真空中でガスが多く漏れるようなシリコンゴム等も使用しない。
(水晶は面実装品、空芯コイルは小型にして樹脂で補強を省略)
半田付けは宇宙用を使用。(非塩素系)
衛星搭載用無線機は全数-30℃と+60℃で性能試験を行う。
(ただし地上での室内実験限定用は温度試験を省略・・・価格は2割引)

1200MHz帯については開発するかどうか、検討中。

開発経過
2008年3月 回路設計を行った。回路定数は一部未定で、試作実験により確定する。

2008年4月 プリント基板設計を行い、試作作業を進める。

2008年5月 試作機を試験・調整
 動作確認と設計修正を行い基本的な問題点を解消。
 詳細な性能について検討。

2008年6月 開発完了
 6月13日 FMCW送信機と145MHzFM受信機は開発完了、引き続き性能改良中。
     430MHzFM受信機はSAWフィルタ待ちでイメージレシオが未確認、その他の性能は確認済み。
 6月25日 SAWフィルタを入手、-2*IF1のイメージレシオは67dB (RFアンプの入力側だけSAWフィルタ挿入でOK)
     試作機が完成して開発作業は完了。
  今後も改良の為に一部仕様変更になる場合があります。

開発作業の状況
送信機TXE430MFMCW-301Aと受信機RXE145M-301A,RXE430M-301Aの試作プリント基板を入手。
予定より早く基板ができてきた・・・開発中のプリント基板(左:送信機、右:受信機) ↓
 

<FM送信>
FM送信部の部品を一通り実装して、調整。<2008.4.13>
437MHzで、FM送信出力0.8W以上、スプリアス-60dB以下になることを確認
PLL回路,FM変調回路、APC回路、CW送信部の各回路は部品実装。
プリント基板は一部に若干不具合が有るが、試作実験には支障が無いので、手直しして続行。
PLLとAPCは正常に動作した。<2008.4.16>
FM変調回路もOKでFM送信の常温における動作は一通り確認できた。 <2008.4.17>
↓437MHzで変調信号1kHz,±3.5kHzのFM変調した送信スペクトル
 
送信機のプリント基板を修正して再製作、基板パターンの不具合は解消した。

<CW送信>
 引き続きCW送信の調整。
CW送信部もPLLと送信増幅回路は動作して、100mW出力を確認した。
送信時の消費電流は、100mA余りで旧無線機より少し大きい→L,C変更により95mAまで減少。
これで、試作基板はFMとCWの送信およびFM受信の基本的な動作をすることを確認できた。 <2008.4.20>
CW送信は送信高周波の回り込みで音調が不自然になる傾向があり、改良方法を更に検討。<2008.5.6>
CWはアンテナ負荷変動でも音調が変わりやすい、PLLの位相比較周期を速くして引き戻さなければ
不自然な受信音になり、占有帯域幅がオーバーする。
PLLの位相比較周期を速くすると送信周波数をマイコンソフトからの制御データ変更だけでは小刻みに設定できず、
VCOの微調整併用が必要。
この傾向は旧無線機にもあり、今までは周波数変更の都度に返送して貰い、再調整していた。
今回の試作基板では、配置を考慮してノイズ対策コンデンサも追加ししたが、まだ不十分で、この点を動作
試験してみると、位相比較周波数は約100kHz以上が必要である。
その条件で、5kHzステップの周波数設定すると10kHz程度の周波数設定誤差が出る。
結局、周波数変更方法は、マイコンソフトからの制御データ変更と、TCXOの周波数微調整ボリュームを
再調整する方法になる。
TCXOの周波数微調整ボリュームはケースに穴をあけてフタを開かなくても回せるようにして、ユーザーが
容易に変更可能な構造に変更する。<2008.4.20>
2次試作基板を製作手配<2008.5.12>
 CW送信部のPLL回路を変更して実験。(PLLループは1/2の周波数で制御、その後2逓倍する)
しかし、まだ音調の不安定さが残っていたのでPLL回路部へシールド板(真鍮製約1g)を追加。
他にCW送信部のコイルを小さいチップコイルに戻してみた。(消費電流は若干増加)
結果、位相比較周期約30kHzまでOK、TCXOの微調整と組み合わせて5kHzステップで周波数設定可になった。
CW送信機の全チャンネル(435〜438MHz)PLL周波数設定データ表を作成中。
これで周囲からのマイコンノイズ等の影響も少なくなった。 
受信音にPLLのVCOノイズが少し混じっている、PLLシンセサイザ方式の限界レベルか?
占有帯域幅は電波法の規制値内に入ったが、更に改善の余地があるかどうか検討続行。
周波数微調整範囲が12.8MHzのTCXOは狭く5kHzステップ周波数設定が歯抜けになることが分かり20MHzに変更。
CW送信出力回路のコイルは空芯でも良いかどうか、別途確認する<2008.5.20>
→空芯コイルに戻すとシールド板の効果が大きいようで問題なく、送信効率は上がる。 <2008.5.21>
アンテナを無線機本体に接近させたりSWRが大きいと、CWの音調が変動するから使用上の注意が必要。
PLLの周波数設定マニュアル初版作成 
PLL_DATA-20080531.lzh <2008.5.21>
回路定数とシールド板の構造を変更、音調の安定度を改善した。<2008.6.6>
更に、CW送信用PLL回路付近のスペーサ3本を長さ6.5mmに短くすると、アンテナを無線機本体に接近させ
た時の影響が小さくなった・・・フタがケースと直接接触してシールド効果が良くなる。<2008.6.13>
  ↓CW送信機の出力スペクトル<2008.6.7>
   ←  ±1KHzの範囲を拡大

 モールス符号で断続した波形
 (VVV DE JI3CKA・・・繰り返し)
 500秒かけてゆっくりスキャン
 (占有帯域幅計測値380Hz/50Ω負荷)


 占有帯域幅計測値は下記の影響も受ける。
  モールス符号送信速度(速いと広がる)
 アンテナのSWRと配置
 (アンテナエレメントを送信機に接近させないこと)
  ↓ SPAN 50kHz     ↓ SPAN 2GHz  
       
 
FMCW送信機を恒温槽へ入れて温度試験を実施、-30℃と+60℃でも正常に動 作し た。<2008.6.7>


<FM受信>
受信基板は、部品実装して動作確認した。
145MHz の信号受信を確認、感度-11dBuで5dBほど低い、更に調整中。 <2008.4.15>
 → 高周波の同調コイルを空芯に変えて受信感度-16dBuに達した。
イメージレシオは約70dBで良好。<2008.4.16>
消費電流は25mAで旧無線機より若干増加している。
-30℃と+60℃の温度試験を実施して、異常なし。<2008.6.12>

430MHz FM受信機はSAWフィルタ未入手であるが、1pFのコンデンサでスルーして動作確認した。
受信感度-14dBu 、イメージレシオはSAWフィルタがまだ無いので30dB程である。
SAWフィルタは6月中旬の予定が少し遅れて下旬に入手予定でイメージレシオ60dB以上になる見込み。<2008.5.7>
 ↓使用するSAWフィルタのデータシート
http://www.taisaw.com/data/TA0693A%20_Rev.1.0_.pdf
SAWフィルタを入手、-2*IF1のイメージレシオは67dB (RFアンプの入力側だけSAWフィルタ挿入でOK)
受信感度は、-15dBu で良好。<2008.6.26>

<アンテナ切替>
FMCW送信機に追加したアンテナ切替回路は受信機への分岐ロスが約1dB。
L29を空芯コイルコイルに変更したら約0.3dBロスは小さくなり、約0.7dBに改善。<2008.6.7>
送信していない時は自動的に受信機接続用コネクタへ切り替わる。 

<放射線試験>
衛星用無線機301A型の放射線試験を東大・中須賀研で実施。<2008年12 月>
4年分の放射線量でFM送信機動作停止、16年分までCW送信機とFM受信機は動作した。



受信感度の参考サイト「本当の感度 G/T」
http://gbros.jp/JR1NNL/IDEA/GT/GT.HTM
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-----編集責任者:西 裕治 (Ji3CKA)-----